神戸大学 医学部医学科 学士編入|「生命科学と英語の総合問題」の正体は英語論文です

最終更新: 2026年8月29日
この記事で分かること
- 第1次選考の合格者は、6年続けて15人ちょうど。募集5名の「約3倍」を、そのとおりに出しています
- 第1次選考の筆記は120分で1本。看板は「生命科学と英語の総合問題」ですが、出てくるのは英語の原著論文です
- 感度・特異度・交絡・95%信頼区間・フォレストプロット。生命科学の参考書の索引には出てこない言葉が、そのまま問われます
- 第1次選考は筆記と書類審査。出願の時点で1,000字程度の書類を2本出します
- 第2次選考は研究発表10分厳守。スライドは指定された期日までにメール等で事前提出と要項に書かれています
- 過去問は窓口で見るだけ。複写も写真も、メモを取ることも認められていません
神戸大学医学部医学科の学士入学(第2年次編入学)は、募集5名。第1次選考が筆記試験と書類審査、第2次選考が口述試験という二段構えです。
ただし、この試験の要点は倍率ではありません。第1次選考で出るのが、日本語の生命科学ではなく「英語で書かれた論文」だという点にあります。しかも問われるのは、遺伝子や細胞の知識だけではありません。感度と特異度は何か、交絡とは何か、95%信頼区間をどう読むか。臨床研究の読み方そのものが試験になっています。
この記事は、大学が公表している令和6年度から令和9年度までの募集要項4本、出願書類の様式、過去問の取り扱いを定めた文書を実際に開いて書いています。数字にはすべて出どころを付けました。公表されていないことは、公表されていないと書いています。
志願85人前後 → 第1次選考は6年続けて15人ちょうど。最終合格は5〜7人です
神戸大学は、募集要項の巻末に「学士入学(第2年次編入学志願者及び合格状況)」という表を付けています。志願者数だけでなく、第1次選考の受験者・合格者、第2次選考の受験者、最終合格者、入学者まで段階ごとに出ているのが特徴です。
| 年度(入試年度) | 志願者 | 第1次受験 | 第1次合格 | 第2次受験 | 最終合格 | 入学者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 84人 | 77人 | 15人 | 15人 | 5人 | 5人 |
| 令和7年度 | 85人 | 76人 | 15人 | 15人 | 5人 | 5人 |
| 令和6年度 | 88人 | 76人 | 15人 | 14人 | 6人 | 5人 |
| 令和5年度 | 86人 | 82人 | 15人 | 14人 | 7人 | 5人 |
| 令和4年度 | 96人 | 84人 | 15人 | 14人 | 6人 | 5人 |
| 令和3年度 | 86人 | 82人 | 15人 | 15人 | 7人 | 4人 |
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出典: 令和6〜9年度 神戸大学医学部医学科 学士入学(第2年次編入学)学生募集要項 巻末表(令和9年度 / 令和8年度 / 令和7年度 / 令和6年度)(2026年8月29日確認)。募集人員は6年とも5名です。令和4年度の第1次受験者は、令和6年度版の「計」欄が34と印字されていますが、同じ表の男女別(第1次受験 男58人+女26人=84人)と令和7年度版の記載から84人としています。
読み取れることは3つあります。
1つめ。第1次選考の合格者が、6年続けて15人ちょうどです。要項には「募集人員の約3倍(予定)を合格者として判定します」とあり、この「約3倍」が、ぶれずにそのまま運用されています。つまり第1次で何人通るかは、受験する前から分かっているということです。
2つめ。関門は第1次です。受験する76〜84人が15人になるので、ここが約5倍。そのあと15人前後から5〜7人なので、第2次は約3倍です。志願者の数だけを見て「17倍」と身構えるより、「まず5倍の筆記を抜ける」と考えたほうが実態に合います。
3つめ。最終合格の出し方が変わっています。令和3年度から令和6年度までは、募集5名に対して6〜7人の合格を出していました(令和3年度は7人が合格して入学者4人)。ところが令和7・8年度は合格5人・入学5人でぴったり一致しています。要項には辞退が出た場合の追加合格の規定があり、連絡は願書に書いた住所への電話等で行われると明記されています。
出典: 令和9年度 学生募集要項(第1次選考の判定方法・追加合格)(2026年8月29日確認)
「生命科学と英語の総合問題」の正体は、英語で書かれた論文です
第1次選考の筆記は、令和8年7月31日(金)13:00〜15:00の120分、科目は「生命科学と英語の総合問題」1本です。科目名だけを見ると、生命科学の知識問題に英語が少し混ざる試験に見えます。実際は逆です。
出題の中身を読むと、英語で書かれた研究論文がそのまま資料として置かれ、それについて日本語で答えさせる形が繰り返し使われています。テーマはこういうものでした。
| 出てきたテーマ | 問われている力 |
|---|---|
| 肥満とがん死亡リスクの疫学研究 | BMIの定義を答える/本文中の overweight と obesity の定義を説明する/表から相対リスクと95%信頼区間を読み取る/男女で傾向が違う部位を挙げる |
| コウモリの免疫と人獣共通感染症 | 下線部を字数指定で説明する/ある仮説がなぜ否定されたのかを説明する/ヒトとコウモリの免疫の違いに触れて述べる/本文に合うタイトルを英語で完成させる |
| 体細胞変異の蓄積と寿命の関係 | Peto's paradox とは何かを説明する/その組織を実験に使った理由を選ぶ/塩基置換の分類とその理由を述べる/散布図から正しい記述を選ぶ |
| う蝕予防のフッ素塗布(複数研究のまとめ) | 公衆衛生上の背景を説明する/感度と特異度の意味と算出方法を述べる/交絡が何を指すかを説明する/研究の適用可能性の限界を述べる/フォレストプロットを読む |
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出典: 神戸大学医学部医学科 学士入学試験の出題内容についての、メディコーチによる分析(2026年8月29日確認)。神戸大学は過去問を公開していないため、大学の公表資料ではありません。年度ごとの割り当ては確かめきれなかったため、年度別には書いていません。設問の文言・図表の数値は載せていません。
気づいていただきたいのは、後半の2つが「生命科学の知識」の試験ではないということです。
Peto's paradox(体が大きく長生きな動物ほど、細胞の数から予想されるほどにはがんにならないという食い違い)、感度と特異度、交絡、フォレストプロット。これらは臨床研究・疫学の言葉です。生命科学の受験参考書の索引を引いても、まず出てきません。
神戸大学の募集要項は、この試験の目的を「高度な専門知識・研究能力を身に付け国際的に活躍できる、優れた医学研究者を養成すること」と書いています。研究者を育てる入口なので、入口の試験で「論文が読めるか」を直接見ている——そう考えると筋が通ります。
出典: 令和9年度 学生募集要項「1.目的」(2026年8月29日確認)
答えさせ方は「読み取って答える」が3分の2。書かせる量は多くありません
出題を答えさせ方で分けると、こうなります。
| 答えさせ方 | 割合 |
|---|---|
| 資料読解(図表や本文から読み取って答える) | 28% |
| 選択式(当てはまるものをすべて選ぶ形が多い) | 25% |
| 長文読解(下線部の内容を説明する) | 14% |
| 英文和訳 | 11% |
| 用語説明(○行で説明せよ) | 11% |
| 計算 | 6% |
| 論述 | 3% |
| 英作文 | 3% |
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出典: 神戸大学医学部医学科 学士入学試験の答えさせ方についての、メディコーチによる分析(2026年8月29日確認)。割合は小数点以下を四捨五入しています。
長い論述はほとんどありません。代わりに「4行で説明せよ」「1行で述べよ」といった行数指定が多く、短く正確に言い切る書き方が要ります。「だいたい分かっている」では埋まらず、定義を一文で言えるかどうかで差が付く形です。
そして英文和訳と英作文で14%。英語は「読めれば通る」道具ではなく、訳す・書くところまで採点対象になっています。外部英語試験の提出が要らない代わりに、英語力は当日の答案で直接測られると考えてください。
生命科学の参考書だけでは、届かない範囲があります
出てきたテーマのうち、がん・細胞周期・免疫は、標準的な教科書で押さえられます。実際に手を動かすなら、この2冊のこのあたりです。
Essential細胞生物学がん・細胞周期p.560・718-722
理系総合のための生命科学寿命と老化p.239ページは、メディコーチによる参考書と出題テーマの対応の分析(2026年8月29日確認)。版によってページがずれることがあります。お手元の本の目次と索引でご確認ください。
問題は、残りです。感度・特異度・交絡・95%信頼区間・フォレストプロット・相対リスクは、上の2冊を最後まで読んでも身に付きません。ここを埋めないまま本番に行くと、読めているのに答えが書けないという形で落ちます。
埋め方は、参考書を1冊増やすことではありません。英語の原著論文を、決まった順番で読む練習です。
| やること | 中身 |
|---|---|
| ① Abstract を読んで、何を比べた研究かを一文で言う | 「誰に」「何をして」「何と比べて」「何が起きたか」。ここが言えれば本文は追えます |
| ② Figure と Table だけを見て、結論を当てる | 神戸大学で最も多いのが資料読解です。本文より先に図表を読み、あとで本文と答え合わせをします |
| ③ 数字の横のカッコを必ず読む | 95%信頼区間です。1をまたぐかどうかで意味が変わります。「差があるか」の判断はここでしています |
| ④ Methods の統計の段落を読む | 交絡をどう処理したか(調整したか、層別したか)。神戸大学は、この処理の意味を直接聞いてきます |
| ⑤ 用語を一文で言い切る練習をする | 感度とは何か、特異度とは何か、交絡とは何か。行数指定で答えさせる形なので、一文の型を持っているかがそのまま点差になります |
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題材は、上に挙げたテーマと同じ方向のもの——がん、感染症、老化、公衆衛生——を選ぶと、内容の知識と読み方の練習を同時に進められます。
第1次選考は筆記だけではありません。1,000字の書類を2本出します
見落とされやすいところです。要項は第1次選考を「筆記試験及び書類審査」と書いています。出願時に出す書類は、第2次のためのものではなく、第1次の判定に入ります。
そして、その書類の中身は募集要項の本文には書かれていません。大学が別に配っている出願書類様式を開いて、はじめて分かります。
| 様式 | 題目 | 分量と注意 |
|---|---|---|
| 様式1 | 医師を志望する理由及び医学部で何をしたいか | 1,000字程度。A4・1枚以内。要項の一覧では「志望する理由」としか書かれていませんが、実物の様式は「医学部で何をしたいか」まで含めて聞いています |
| 様式2 | 現在までの研究について | 1,000字程度。A4・1枚以内。共同研究の場合は、志願者が果たした役割を明記すること |
| 様式3 | 研究業績 | 論文・学会発表など。著者は論文と同じ順で全員書き、自分にアンダーラインを引く。論文の添付は不要ですが、掲載が決まっている論文は受理証明書を添付します |
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出典: 神戸大学医学部医学科 入試情報に掲載の「出願書類様式」(hen_app_2027.zip 収録の様式1〜3)および令和9年度 学生募集要項「5.出願手続」(2026年8月29日確認)
ここから分かることが2つあります。
1つめ。様式2に「共同研究での役割を明記」と書いてあることです。これは、第2次選考の研究発表の質疑応答と地続きです。その研究のどこがあなたの仕事だったのかを、出願の時点で言葉にしておく必要があります。
2つめ。様式1が「なぜ医師か」だけを聞いていないことです。「医学部で何をしたいか」まで含まれています。募集要項が掲げる目的は医学研究者の養成です。入ってから何を研究したいのかまで書けているかどうかが、1,000字の中身を分けます。
第2次選考は研究発表10分厳守。スライドは事前にメールで出します
第2次選考は口述試験です。要項はこう書いています。出願者の最近の研究と、医師を志すに至った経緯について、パワーポイントを用いて口頭で発表し(制限時間10分を厳守のこと)、質疑応答を行う。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 日時(令和9年度) | 令和8年9月4日(金)10:00〜(予備日9月8日(火)) |
| 形式 | パワーポイントを用いた口頭発表+質疑応答 |
| 発表の中身 | 最近の研究と医師を志すに至った経緯の2つ |
| 発表時間 | 10分厳守 |
| スライドの提出 | 第1次選考合格者は、指定された期日までにメール等で事前提出 |
| 質疑応答の時間 | 要項に記載はありません |
| 第1次発表 | 令和8年8月21日(金)10:00(予定) |
| 最終発表 | 令和8年9月24日(木)10:00(予定) |
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出典: 令和9年度 学生募集要項「6.入学者選抜方法」「8.合格者発表」(2026年8月29日確認)。面接官の人数、質疑応答の長さは公表されていないため書いていません。
スライドを事前に出す、という点が効いてきます。第1次の合格発表が8月21日、第2次が9月4日。この2週間の中に提出期限が入ります。要項には「予めメール等での提出を求めます」とあるだけで、当日の差し替えができるかどうかは書かれていません。ただ、事前に出したものが手元で読める状態にあるということは、面接官があなたのスライドを先に読んだ状態で座っている可能性があるということです。提出した時点で完成しているつもりで作ってください。
そして10分厳守。研究の背景・目的・方法・結果・考察に加えて、医師を志した経緯まで入れて10分です。研究の説明だけで10分を使い切る構成にすると、要項が求めている片方が入りません。
準備しておきたいのは、次のような問いへの答えです。
- なぜその手法を選んだのか。ほかの手法と比べた利点は何か
- 対照はどう置いたか。データはどう処理したか
- 予想と違う結果が出たとき、どう考えたか
- この研究の限界はどこか
- 共同研究なら、どこからどこまでが自分の仕事だったのか
- その研究をしていた人が、なぜ医師になるのか。研究を続けるだけでは足りない理由は何か
最後の1つが、この大学では特に重くなります。研究者を養成すると要項に書いてある大学に対して、「研究をやめて臨床に行きたい」とだけ答えるのは噛み合いません。研究の経験を医学のどこに接続するのかを、自分の言葉で言えるようにしておいてください。
外部英語試験は要りません。推薦書も「必須ではありません」
出願条件まわりは、誤って伝わっていることが多いところです。令和9年度の募集要項に書かれているのは、次のとおりです。
| 項目 | 令和9年度の内容 |
|---|---|
| 出願資格 | 大学を卒業した者または令和9年3月卒業見込みの者/学位授与機構により学士の学位を授与された者/外国で16年の課程を修了し学士を取得した者/これらと同等以上の学力があると認めた者(4つめに当たる場合は令和8年5月22日までに申し出) |
| 必要単位 | 要項に単位数の要件はありません |
| 外部英語試験 | TOEIC・TOEFLなどのスコア提出を求める記載はありません |
| 推薦書 | 「2通以内提出することができます(必須ではありません)」。様式自由 |
| 提出書類 | 志望する理由(様式1)/現在までの研究について(様式2)/研究業績(様式3)/成績証明書・卒業(修了)証明書/顔写真データ |
| 出願期間 | 令和8年7月1日(水)0:00〜7月7日(火)17:00。インターネット出願登録と、書類の郵送(書留・速達で7月7日17時必着)の両方 |
| 検定料 | 30,000円 |
| 入学年次 | 第2年次 |
| 納付金 | 入学料282,000円/授業料 年額535,800円(令和8年度の例) |
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出典: 令和9年度 神戸大学医学部医学科 学士入学(第2年次編入学)学生募集要項(2026年8月29日確認)
とくに推薦書です。要項の文言は「2通以内提出することができます。(必須ではありません)」。出さなくても出願できます。一方で、出せばあなたについて問い合わせができる人がいることを示せます。推薦者の所属・職名・氏名・連絡先を冒頭に書き、署名・捺印したものが条件です。研究指導を受けた先生がいるなら、出さない理由はあまりありません。
そして郵送の締切に注意してください。インターネットの登録が終わっていても、書類が7月7日17時までに届かなければ出願は認められないと明記されています。証明書の発行には日数がかかります。6月のうちに取り寄せてください。
過去問は「見るだけ」。複写も写真も、メモを取ることもできません
神戸大学は、過去問の扱いを1枚の文書で公表しています。ホームページには問題を載せず、郵送もメール送付もしていません。大学に行って、その場で見る。それだけです。
学士入学(第2年次編入学)の過去問は、来校いただければ最新の募集要項の前年度から遡って3年分に限り閲覧が可能(複写・メモ・写真撮影等いずれも不可)です。希望者は、平日9時〜17時(12時〜13時除く)の間に医学科教務学生係までお越しください。なお、事前予約は不要です。
出典: 神戸大学医学科教務学生係「学士入学(第2年次編入学試験)過去問題について」(2026年8月29日確認)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入手方法 | 窓口での閲覧のみ。ホームページ掲載・郵送・メール送付はありません |
| 見られる範囲 | 最新の募集要項の前年度から遡って3年分 |
| できないこと | 複写・メモ・写真撮影のいずれも不可 |
| 場所 | 神戸大学医学部 医学科教務学生係(神戸市中央区楠町7-5-1) |
| 時間 | 平日9時〜17時(12時〜13時を除く) |
| 予約 | 不要 |
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メモが取れない、というのがこの制約の重いところです。ふつうの「過去問を入手する」対策は、ここでは成立しません。それでも行く価値はあります。持ち帰るものを決めてから行けば、です。
- 資料は何本置かれているか。英語の論文か、日本語か、両方か
- 図表はどれくらい載っているか。グラフか、表か、フォレストプロットか
- 解答欄の形。行数指定か、字数指定か、選択肢か
- 120分で読み切れる量か。時間配分を決めるための、いちばん大事な情報です
建物を出てから、覚えている範囲をすぐ書き出す。この4点だけなら、記憶して持ち帰れます。逆に、設問を丸ごと写して帰ろうとすると、何も残りません。
神戸市外にお住まいなら、出願期間(7月上旬)に合わせて1日使うのが現実的です。試験会場も同じ場所なので、当日の道順の確認を兼ねられます。JR「神戸」駅・神戸高速「高速神戸」駅から北へ徒歩15分、市営地下鉄「大倉山」駅から北へ徒歩5分です。
この試験が向いているのは、どういう人か
合格者の経歴は公表されていません。「理系大学院を出た人が有利」といった話は、根拠のある数字が公表されていないので書きません。代わりに、大学が何を求めると書いているかから考えます。
| 要項に書いてあること | 受験する側にとっての意味 |
|---|---|
| 「生命科学の基礎的な知識を有し」 | 第1次の筆記で見られます。ただし知識そのものより、論文の中で使えるかです |
| 「専門分野で学んだ知識を医学に生かすことができ」 | 様式1(医学部で何をしたいか)と第2次の研究発表で見られます。前の分野と医学のつなぎ方が要ります |
| 「高い倫理観と明確で強固な目的意識を持った」 | なぜ医師か。10分の発表の後半です |
| 「優れた医学研究者を養成することを目的」 | 研究の経験がそのまま材料になります。様式3(研究業績)が用意されているのは、そのためです |
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出典: 令和9年度 学生募集要項「1.目的」および神戸大学医学部医学科 ポリシー等(2026年8月29日確認)
まとめると、研究をしてきた人にとっては、材料がそのまま武器になる試験です。様式2・様式3・第2次の研究発表と、研究の話をする場が3回あります。
一方で、研究歴がないと出願できないわけではありません。出願資格に研究業績の要件はなく、様式3も「参考となる事項について記入する」という書き方です。ただしその場合、第2次の10分をどう組み立てるかは、早い段階で決めておく必要があります。卒業研究、仕事で扱ったデータ、現場で気づいた課題。問いを立てて調べた経験であれば、発表として成立します。
よくある質問
Q. TOEICやTOEFLのスコアは要りますか。
A. 令和9年度の募集要項に、外部英語試験のスコア提出を求める記載はありません。ただし第1次の筆記に英文和訳と英作文が含まれるため、英語力は当日の答案で測られます。
Q. 推薦書は必ず出さないといけませんか。
A. いいえ。要項は「2通以内提出することができます(必須ではありません)」と書いています。様式は自由で、推薦者の所属・職名・氏名・連絡先を冒頭に記入し、署名・捺印したものを郵送します。
Q. 第1次選考は何人通りますか。
A. 要項では「募集人員の約3倍(予定)」。実際に令和3年度から令和8年度まで6年続けて15人です。
Q. 過去問はどうやって手に入れますか。
A. 手に入りません。大学の窓口で、直近3年分を見ることだけができます。複写・メモ・写真撮影はいずれも認められていません。平日9時〜17時(12時〜13時を除く)、予約は不要です。
Q. 配点は公表されていますか。
A. 公表されていません。要項に書かれているのは、第1次が筆記試験と書類審査で募集人員の約3倍を選ぶこと、第2次が口述試験であることまでです。
Q. 研究発表のスライドは当日持って行けばよいですか。
A. いいえ。第1次選考の合格者は、指定された期日までにメール等で事前に提出します。当日の差し替えができるかどうかは要項に書かれていないため、提出した時点で完成しているつもりで作るのが安全です。
Q. 追加合格はありますか。
A. あります。要項に「入学辞退者等により入学定員に満たない場合は、追加合格により欠員の補充を行う」と書かれており、連絡は願書に記載した現住所への電話等で行われます。ただし電話等での問い合わせには一切応じないとも明記されています。
まとめ
- 志願85人前後 → 第1次合格15人 → 最終合格5〜7人(直近2年は5人)。第1次が約5倍、第2次が約3倍です
- 第1次合格は6年続けて15人ちょうど。要項の「募集人員の約3倍」がそのまま運用されています
- 筆記は120分で「生命科学と英語の総合問題」1本。出るのは英語の原著論文です
- 感度・特異度・交絡・95%信頼区間・フォレストプロット。生命科学の参考書では埋まらない範囲が、そのまま問われます
- 答えさせ方は資料読解28%・選択式25%。長い論述は少なく、行数指定で短く言い切る形です
- 第1次は筆記と書類審査。出願時に1,000字程度の書類を2本出します
- 第2次は研究発表10分厳守。スライドは事前にメール提出です
- 外部英語試験は不要、推薦書も必須ではありません(2通以内・任意)
- 過去問は窓口で見るだけ。複写もメモも写真も不可です
神戸大学は、「論文が読めるか」を入口で直接測っている試験です。知識を積み上げる勉強だけを続けていると、読めているのに答えが書けないという形で第1次に落ちます。逆に、研究の経験がある人にとっては、書類・発表・質疑応答と、自分の材料を出す場が3回ある試験でもあります。
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